ボトックスの効果
ボトックス注射には、神経的な筋緊張を減らす効果があります。物理的な筋肉のコリが軽減する訳では無いことに注意が必要です。
効果のメカニズム
リスク発生率と有効率
〇歩行の改善率
2~16才の脳性麻痺のお子さん114名を対象に行った研究では、歩行の改善率が61%でした。
〇副作用の発生率
ボトックス治療1425例を調べたところ、副作用の発生率は25%でした。
〇副作用の内容
- 局所の痛み
- 筋力低下
- 倦怠感
- 吐気、嘔吐
- 上気道感染(風邪症状)
- 嚥下障害
- 転倒
など
副作用は、薬の投与量に関係しそうであることが海外の研究から示唆されます。
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具体的にどの様なメリットが得られるのか?
親御さんからご相談が多いボトックス注射ですが、おそらく「筋肉の固さが減るのは分かったけど、具体的にどんなメリットが得られるのかよくわからない」というところかなと思います。
ボトックスによって実際にどんなことが期待できるかについて書いていきます。
〇骨の変形予防
子供の骨は軟骨が多く、筋肉に引っ張られて曲がったり、捻じれてしまうことがあります。
ボトックスで緊張を減らせば、骨の変形を予防することが期待できます。
〇発育をうながす
力が入りっぱなしの状態は、たくさんのエネルギーを消費します。その為、体の成長に使われるエネルギーが不足しがちです。
ボトックスで筋緊張を下げることで、余計なエネルギー消費が減り、成長しやすい状態になります。
〇運動発達をうながす
筋肉がゆるくなると動きやすく、感覚も入りやすくなるのでリハビリや日々の遊び、刺激によって運動発達しやすい状態になります。
〇痛みの軽減
過剰な筋肉の固さは血行不良になり痛みに繋がります。ボトックスで緊張を減らす事で、血行不良が緩和して痛みが減ります。
〇疲労感の軽減
持続的な筋緊張は、過剰にエネルギーを消費して疲労を高めます。局所的でも緊張を下げてあげれば疲労感が軽減されます。
〇体幹の緊張緩和
手足の緊張が下がることで力みが軽減され、体幹の余計な緊張も軽減されます。
目的によって使い方が異なる
〇ボトックス単体でも良いケース
- 可動域の維持
- 骨の変形予防
- 介助負担の軽減
など
これらがメインとなる場合は、ボトックス注射のみ行っても目的とマッチします。
◯ボトックス×リハビリ推奨のケース
- 立位をキープして欲しい
- 歩行能力をよくしたい
- 運動発達を促したい
など
運動機能の向上が目的の場合は集中的リハビリ(入院リハ)、またはいつものリハビリを増やすなど、リハビリとセットで行う方がオススメです。
まとめ
- 基本的にメリットのある方法である
- 副作用のほとんどが一時的なもの
- 副作用は薬の量と関係がある
- ボトックスの目的をしっかりと決める
以上がポイントです。
当院はボトックス注射を推奨する立場を取っています。
痛みを伴うアプローチなので、親御さんとしては気が進まない方法ですが、中長期的に見た時にメリットが上回ると考えています。

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